総務省、「FM再送信」と「放送番組の同一化」への意見募集をはじめる。
2014.01.02 Thursday
2014年になりましたが、皆様いかがお過ごしでしょう?
本年もどうぞよろしくお願い致します。
更新頻度は何とも言えませんが…ひとつ気長にお待ち頂ければ、という事で。
さて、本題。
総務省が、2013年12月末に「AMラジオ放送を補完するFM中継局に関する制度整備の基本的方針(案)に対する意見募集」と「『放送政策に関する調査研究会』第二次取りまとめ(案)に対する意見募集」を始めました。
「AMラジオ放送を補完するFM中継局に関する制度整備の基本的方針(案)」は、ITproでも紹介されていますが、「ラジオ放送の受信環境の改善等を図る観点から、以下の目的で開設されるFM補完局の開設を認める」そうです。
なお、この方針での「難聴」とは、「昭和39年郵政省告示第5号(放送局の開設の根本的基準の規定により標準放送を行なう放送局の地上電界強度を指定する件)に規定するAMラジオ放送の法定電界強度を満たさない地点、又は電気雑音の影響や外国波混信等によりAMラジオ放送の聴取が困難と判断される地点が継続的かつ地域的に存在すると考えられる状態を指すこと」だそうで、この「基本的方針(案)」では、中波での中継局を設置する事が困難な地域にも、FM送信所を設置して再送信をしても良い、というものです。
(2/1追記…「AMラジオ放送を補完するFM中継局に関する制度整備の基本的方針(案)に対する意見募集の結果」及び「FM方式によるAMラジオ放送の補完中継局に関する制度整備(案)に対する意見募集」が発表されました。詳細はこちらから)
続いて「『放送政策に関する調査研究会』第二次取りまとめ(案)に対する意見募集」ですが、こちらは放送局の経営基盤強化のため、「放送番組の同一化」と「マスメディア集中排除原則の特例」の更なる緩和が中心になっています。
総務省の当該ページにある別紙1の「概要」(PDF)のほうが分かりやすいと思いますが、異なる放送対象地域の事業者同士が事業再編する事で、「放送番組の同一化」ができ、「県境に中継局を置局する事で効率化が見込めたり、マスター設備を統合したり、番組制作のコストを削減する事が出来るようになる」そうです。
また、「マスメディア集中排除原則の特例」の更なる緩和を導入するそうで、「経営の合理化に取り組もうとする放送事業者が、総務大臣の認定を得て『経営基盤強化計画』(仮称)を作成し、多種多様な事業再編を、より柔軟かつ円滑に行うことを可能とする」との事。
…要は、経営統合によってコストを削減し、ついでに地域が違うなら「マスターの統合」=「放送番組の同一化」、番組編成も同じにしてもいいですよ、というものです。
当然ながら、民間事業者なら株式保有割合によって「支配する・される関係」が発生し、支配された側の放送局は支局並みになり、編成権も失われ、番組制作力もほぼ失われます。
儲かる地域の番組比率を高くして、それほど儲からない地域の番組を極端に削減する事は起こり得ますし、支配された側が中継局状態になるのですから、もはやローカル局として存在する意味が無くなります。
2013年3月に民放連が総務大臣に「マスメディア集中排除原則の緩和」を要望していますが、以前にも当ブログで「いずれは儲からないローカル局をキー局の中継局のようにしてしまう可能性もあるし、放送局自体を整理統合する可能性が強い」と書いていますが、まさに危惧していた通りに事態が進んでいます。
現状ですらローカル局は東京のネット番組、または通販番組に大半を依存している状況ですから、さらに支配局の依存度を高める事で経営再建どころか「再起不能」にさせる、と言っても過言ではありません。
民放連としては「お望み通り」なのでしょうが、ローカル局は経営の根幹を失うのですから、この案に反対意見を提出すべきです。
なお、意見提出の締切は「FM中継局に関する制度整備〜」が2014年1月16日(木)、「第二次取りまとめ〜」は2014年1月27日(月)。
ちなみに、「e-Gov」の「意見募集案件を閲覧する」からも提出できたりもします。
今までのケースでは「理解しろ」「参考とされるものと考える」などと、提出したからって案が覆るワケではありませんが…提出してみてはいかが?
出すからには、全く関係無い明後日な意見提出は止めましょう公開されるのですから、逆に痛々しいですよ
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更新頻度は何とも言えませんが…ひとつ気長にお待ち頂ければ、という事で。
さて、本題。
総務省が、2013年12月末に「AMラジオ放送を補完するFM中継局に関する制度整備の基本的方針(案)に対する意見募集」と「『放送政策に関する調査研究会』第二次取りまとめ(案)に対する意見募集」を始めました。
「AMラジオ放送を補完するFM中継局に関する制度整備の基本的方針(案)」は、ITproでも紹介されていますが、「ラジオ放送の受信環境の改善等を図る観点から、以下の目的で開設されるFM補完局の開設を認める」そうです。
- 都市型難聴対策
- 外国波混信対策
- 地理的・地形的難聴対策
- 災害対策
なお、この方針での「難聴」とは、「昭和39年郵政省告示第5号(放送局の開設の根本的基準の規定により標準放送を行なう放送局の地上電界強度を指定する件)に規定するAMラジオ放送の法定電界強度を満たさない地点、又は電気雑音の影響や外国波混信等によりAMラジオ放送の聴取が困難と判断される地点が継続的かつ地域的に存在すると考えられる状態を指すこと」だそうで、この「基本的方針(案)」では、中波での中継局を設置する事が困難な地域にも、FM送信所を設置して再送信をしても良い、というものです。
(2/1追記…「AMラジオ放送を補完するFM中継局に関する制度整備の基本的方針(案)に対する意見募集の結果」及び「FM方式によるAMラジオ放送の補完中継局に関する制度整備(案)に対する意見募集」が発表されました。詳細はこちらから)
続いて「『放送政策に関する調査研究会』第二次取りまとめ(案)に対する意見募集」ですが、こちらは放送局の経営基盤強化のため、「放送番組の同一化」と「マスメディア集中排除原則の特例」の更なる緩和が中心になっています。
総務省の当該ページにある別紙1の「概要」(PDF)のほうが分かりやすいと思いますが、異なる放送対象地域の事業者同士が事業再編する事で、「放送番組の同一化」ができ、「県境に中継局を置局する事で効率化が見込めたり、マスター設備を統合したり、番組制作のコストを削減する事が出来るようになる」そうです。
また、「マスメディア集中排除原則の特例」の更なる緩和を導入するそうで、「経営の合理化に取り組もうとする放送事業者が、総務大臣の認定を得て『経営基盤強化計画』(仮称)を作成し、多種多様な事業再編を、より柔軟かつ円滑に行うことを可能とする」との事。
…要は、経営統合によってコストを削減し、ついでに地域が違うなら「マスターの統合」=「放送番組の同一化」、番組編成も同じにしてもいいですよ、というものです。
当然ながら、民間事業者なら株式保有割合によって「支配する・される関係」が発生し、支配された側の放送局は支局並みになり、編成権も失われ、番組制作力もほぼ失われます。
儲かる地域の番組比率を高くして、それほど儲からない地域の番組を極端に削減する事は起こり得ますし、支配された側が中継局状態になるのですから、もはやローカル局として存在する意味が無くなります。
2013年3月に民放連が総務大臣に「マスメディア集中排除原則の緩和」を要望していますが、以前にも当ブログで「いずれは儲からないローカル局をキー局の中継局のようにしてしまう可能性もあるし、放送局自体を整理統合する可能性が強い」と書いていますが、まさに危惧していた通りに事態が進んでいます。
現状ですらローカル局は東京のネット番組、または通販番組に大半を依存している状況ですから、さらに支配局の依存度を高める事で経営再建どころか「再起不能」にさせる、と言っても過言ではありません。
民放連としては「お望み通り」なのでしょうが、ローカル局は経営の根幹を失うのですから、この案に反対意見を提出すべきです。
なお、意見提出の締切は「FM中継局に関する制度整備〜」が2014年1月16日(木)、「第二次取りまとめ〜」は2014年1月27日(月)。
ちなみに、「e-Gov」の「意見募集案件を閲覧する」からも提出できたりもします。
今までのケースでは「理解しろ」「参考とされるものと考える」などと、提出したからって案が覆るワケではありませんが…提出してみてはいかが?
出すからには、全く関係無い明後日な意見提出は止めましょう公開されるのですから、逆に痛々しいですよ
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